けんしんです。
昨晩、ゼネラル・エレクトリック(GE)がバイオ医薬品事業を売却すると発表しました。
売却価格は214億ドルで、日本円で2.4兆円という途轍もない金額です。
事業売却を好感し、GEの株価は10.17→10.81と6%上昇しました。
(一時15%上昇して最後失速したのは残念でしたが)
GEの再編(事業縮小)が進む
かねてよりGEは非中核部門の売却・スピンオフを進めると公表しています。
昨年も輸送部門の分離やソフトウェア子会社の売却を実施しています。
今年に入ってから早々に売却が決まり、事業再編が着々と進んでいますね。
個人的に、ヘルスケア事業は有望と考えており、売却して欲しくはありません。
駄目な部門の穴を優良部門の売却で埋めるのは何とも悲しいところですが、債務圧縮が急務であることを考えれば止むなしというところか。
事業売却で足元を見られたかもという一抹の不安
ところで、バイオ医薬品事業の売却先ダナハー(DHR)は、GEのカルプCEOの古巣企業です。
この売却はカルプ氏の人脈によって成功したと見る事も可能で、カルプ氏をCEOに招聘した成果が出たと言って良いかもしれません。
少し気になるのは、発表を受けてダナハーの株価は+8%上昇し、GEより上げ幅が大きいこと。
一見するとwin-winの関係にも見えますが、買収では通常、買収元企業の株価が下がり、買収先の企業が下がります。これは、買収がプレミアムを付けた高い価格で実施されるため、買収された側が有利と判断されるためです。
しかし、今回は買収側の方が好感されています。
GE株主としては、足元を見られて安い価格で買い叩かれたのでは?と懸念するところです。
現時点でGEは2019年のMVP企業
ところで、GEの株価は年初から40%も上昇しています。
株価も10ドルを回復し、未だ悲惨な水準ではあるものの最悪期は脱したようにも見えます。
2019年「だけ」で見れば、保有株で断トツのMVPです。
しかし、GEの株価は、2016年に30ドルを越えた後、2017年末に17ドル、2018年末に8ドルと2年連続で半減しています。
今年に入ってからの上昇は大変喜ばしいですが、ここ2年の低迷を思えば、決して安心できるものではありません。今後も油断なくゼネラル・エレクトリックと付き合っていきたいと思います。
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