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けんしんの株式投資

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【VFH】バンガード・米国金融セクターETFで、クラッシュしがちな銀行株リスクを軽減する

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けんしんです。

 

ETFの勉強をしようと思い立ち、VGT(情報技術)、VOX(通信サービス)について書いてきましたが、書きながら新しい気付きが見つかり、私自身の役に立っていると感じます。

 

少なくとも、バンガード・セクター別ETF10種は全て書いていきたいと思います。

今回はバンガード・米国金融セクターETF(VFH)です。

 

 

 

 

VFHとは

VFHとは、「MSCI USインベスタブル・マーケット・金融25/50インデックス」に連動するETFで、米国の金融セクター全般に投資しています。

 

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このセクターは、銀行、抵当・不動産金融、消費者金融、専門金融、投資銀行・証券会社、資産運用会社・資産管理銀行、企業への貸付、保険、金融投資などの業務に従事する企業で構成されています。

 

また、大型株、中型株、小型株を含んでおり、対象セクター全体を広く網羅しています。

 

VFXの経費率は年率0.1%という素晴らしい価格設定で、非常に低コストで分散効果が得られます。また、資産額は74億ドル(約7900億円)と流動性も非常に高い水準です。

 

 

VFHの構成銘柄

 

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VFHは、都市銀行が大きな比率を占めており(27.9%)、JPモルガン(9.4%)、バンクオブアメリカ(6.9%)、ウェルズファーゴ(5.3%)、シティグループ(4.2%)などが上位にランクインしています。

 

次に多いのは地方銀行(15.0%)ですが、トップ10入りしている銀行はなく、多くの地銀が積み重なった結果であると思われます。

 

一方、世界的に有名な投資銀行ですが、ゴールドマンサックス(1.7%)が下位にランクインするだけで、モルガンスタンレーはTOP10から漏れるなど、VFHにおける存在感は大きくありません。

 

他には、バークシャーハサウェイの7.2%が目を引きます。一社で投資銀行全体の6.1%を上回ります。サブグループでは、マルチセクター持株会社に分類されています。確かに運用会社と保険会社がごっちゃになった業態で、これぞという分類がない印象を受けます。

 

ちなみに、VFHには決済会社のビザ、マスターカード医療保険のユナイテッドヘルス、アンセム等は含まれていません。決済会社はVGT(情報技術)、医療保険はVHT(ヘルスケア)に含まれています。

 

 

 

VFHの実績・チャート

VFHの実績

VFHの実績は下記のとおりです。

 

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1年間を10%以上のリターンとなかなかの成績を残しています。

 

金融というとパフォーマンスが悪いセクターという印象をお持ちの方も多いと思いますが、金融は2017年に大きく上昇しており、最近の不調を差し引いてもそこそこの高値を維持しているという事だと思われます。

 

私が保有する米銀株も同様の傾向を示しているため、こうした実績は腑に落ちる面があります。

 

VFHのチャート

VFHのチャートは下記のとおりです。

 

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VFHは青色で、比較対象として、S&P500のETF(VOO)を水色で、JPモルガン(JPM)を黄色で示しています。

 

VOOと比較では、金融全般が強かった2017年はVFH>VOOだったものの、貿易戦争や景気後退懸念で市場が乱降下した2018年に追いつかれ、そこからは歩調が合った動きになっています。

 

上昇期に強く、下降期に弱いという特性が浮かび上がります。

今はVOOと共同歩調ですが、今後景気後退・金利低下が予想される状況では苦しくなるかもしれません。

 

 

 

VFHの良い点

個別リスクが大きい銀行株で分散が出来る

ETFには全て言える理由ですが、VFHは多くの金融銘柄で構成されているため、個別銘柄投資よりリスクが抑えられています。

 

特に、銀行セクターはサブプライムショック、リーマンショックで大きな打撃を受けました。リーマンブラザーズは破綻、メリルリンチやベアースターンズは単独で生き残れず、吸収合併されました。

 

リーマンショックで生き残った銀行でも、シティグループが株価10分の1、バンカメが5分の1に下落するなど、大きなダメージを受けています。

 

金融銘柄については個別株リスクが極めて大きく、これを軽減できるVFHは魅力があります。

 

景気の上昇局面で強い

2017年にVFHが大きく伸ばしたのはご認識いただけたかと思いますが、2017年はゴルディロックス相場と呼ばれ、投資環境が非常に良い時期でした。

 

こうした時期にパフォーマンスが良いのは景気循環株ですが、金融株は景気循環株の筆頭格であり、景気に先んじて動く炭鉱のカナリアでもあります。

 

景気上昇の初動を掴み、投資することが出来れば、大きなリターンを狙う事が出来ます。

(逆に今は景気後退が意識されているため環境は最悪ですが…)

 

VFHの悪い点

景気の下降局面で弱い

VFHの良い点と真逆の状況ですが、景気後退局面に弱いという性質があります。

2018年もそうでしたが、景気後退が意識されると真っ先に下落するセクターです。

 

景気上昇局面なら顕在化しないデメリットですが、今のような経済情勢では悪い点をより意識すべき局面ですね。

 

なお、景気後退期は金利が下がっていきますが、収益基盤を揺るがすという意味でマイナスです。

 

 

金融危機のダメージが大きい

VFHは分散により個別株リスクを抑えていますが、それでも金融クラッシュとは無縁ではありません。

 

分散によりゼロになる事はありませんが、業界全体がメタメタになるため、VFHそのものが大きく下落します。

 

ちなみに、VFHはサブプライムショック・リーマンショックで65ドル→15ドルと4分の1もの下落を記録しています。

 

ゼロにならないのは良い事ですが、相当な覚悟が必要ですね。

 

 

 

終わりに

今回はVFHについてまとめてみました。

 

金融株は景気上昇局面では非常に強いものの、景気後退局面に弱く、更に個別株リスクが高いという欠点があります。

 

景気循環セクターであることはどうしようもないですが、VFHを使う事で個別株リスクを減らすことが出来るのは大きな魅力です。

 

金融株を買おうという人はなかなかいないと思いますが、買おうと思った際にはVFHは有力な選択肢になると思っています。

 

ちなみに、私は現在、JPモルガンシティグループといった米銀株を保有しています。

含み益を確定させたくないため、銀行株を今すぐ売ろうとは考えていませんが、どこかのタイミングでVFHに乗り換えるのはアリだと思っています。

 

 

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