こんばんは、けんしんです。
私は朝に主要国の株価・金利・為替をチェックするのを日課にしているのですが、今朝(5/16終値)イタリアの金利が1.94→2.11%と急上昇していました。
日付 | 10年債利回り |
2018/5/8 | 1.86 |
2018/5/9 | 1.87 |
2018/5/10 | 1.93 |
2018/5/11 | 1.86 |
2018/5/14 | 1.92 |
2018/5/15 | 1.94 |
2018/5/16 | 2.11 |
何かあった??と思って調べてみたらどうやらイタリアで政局不安が起こっているとのこと。
ロイターの記事にもなってますね。
万一、イタリアがユーロ離脱や債務減免を主張という事になれば、かつてのギリシャ問題を彷彿とさせる状況ですね。
イタリアと言えば、「PIIGS」諸国の一角であり、政局・銀行問題が度々起こって過去に通貨EUROを混乱させてきた国の一つです。
(注)PIIGS
由来は「豚」を意味する「PIGS」。財政の悪いユーロ諸国を侮蔑的な意味を込めて作られた造語です。具体的には、ポルトガル(P)、イタリア(I)、アイルランド(I)、ギリシャ(G)、スペイン(S)の5か国指します。
PIIGSと言えば、先に述べたギリシャの危機に端を発する欧州債務危機が記憶に新しいかと思います。ギリシャの財政危機が、PIIGSを始めとするユーロ各国に飛び火し、ユーロ圏全体を巻き込む債務危機にまで発展しました。
ギリシャほどではないですが、イタリアでも問題は起こっており、私が記憶する限り、下記のようなことが起こっていました。
①政局問題(五つ星運動の躍進)
イタリアでは、ユーロ導入後の経済停滞への不満から通貨ユーロへに対して懐疑的な見方が強まっていました。そんな折、他国の反ユーロの運動に歩調を合わせる形で、反ユーロを掲げ、ポピュリズム政党と言われる五つ星運動が躍進しました。五つ星運動が政権の座に着けば、ユーロ離脱の可能性が高まり、ユーロ全体の危機となります。選挙の度に市場は神経質になっていました。
②銀行問題
イタリアの大手銀行であるモンテ・パスキの救済問題です。モンテ・パスキはECB(欧州中央銀行)のストレステストに失敗し、増資を求められていました。そんな中、同行の増資計画がとん挫し、政府資金に頼らざるを得ない状況となりました。しかし、EUのルールでは政府資金の投入に厳しいルールが課せられており、その一つが債権者も一定の損失を負う事(ベイルイン)でした。しかし、債権者には多くの個人が含まれるため、政治的に実施する事は可能なのか、懸念が持たれておりました。結局、このベイルインの原則は適用されずにモンテ・パスキは救済。無事決着しました。
2010年代前半はリーマンショックのような派手な下げはしていないため、投資家にとって良い時期と言われることも多いですが、何度も危機が発生し、都度肝を冷やしました。
当時のような経験をせずにすんで欲しいというところです。