おはようございます、けんしんです。
昨日、意気揚々とトルコリラ買い増しの記事を書いたわけですが、何と買った早々に1円以上下げて、16円台に突入しました。
トルコリラが16円台に突入
下落する時は本当早いですね。
8/10のセリクラ時の安値を下回ると、流れが加速しそうですがどうでしょうか?
(現状はやや戻した水準にあります)
昨日は、トルコは1年以内に借り換えが必要な対外債務が20兆円というぞっとする記事が出ました
トルコが来年7月までの1年以内に返済期限が到来する対外債務は約1790億ドル(約20兆円)で、年間国内総生産(GDP)のほぼ4分の1に達する──。JPモルガンは調査ノートでこうした試算を明らかにした上で、通貨危機に襲われている経済が急速に縮小する恐れがあると警告した。
引用元:ロイター
本記事によると、国際的な銀行はトルコ向け融資を減らす公算が大きいので、幾つかの借り手にとって借り換えが厳しい状況になる可能性があるとのこと。
この中で特に借り換えリスクが高いのは1080億ドル(12兆円)前後との事です。
金額を聞くと引きますね(^_^;)
借り換えリスクは危機がグローバル化する
借り換えリスクはかつてのギリシャを中心とした欧州債務危機を思い出します。
債務危機となれば債務国だけでなく、債権国にも被害が及ぶため、危機がグローバル化します。
ギリシャの時は単一通貨ユーロの特異性が危機を増幅させた面もありますが、トルコについても楽観できるものではありません。
また、トルコ中銀のキリムチ副総裁が辞任の意向との報道もあります。
ただでさえ、エルドアン大統領の圧力で身動きが取れないトルコ中銀ですが、人事でのゴタゴタが発生するとは最悪ですね。
リラが下落した理由はアルゼンチン危機が波及か?
しかし、トルコリラが下落した理由は上記国内事情と言うより、下記のアルゼンチン問題が波及したようです。
アルゼンチンの中央銀行は30日、緊急利上げで政策金利を15%引き上げ、年60%に設定した。マクリ大統領は29日に国際通貨基金(IMF)への追加支援申請を発表したが、ペソ売りは止まらず、過去最安値を大幅に更新していた。利上げ発表後もペソ安は進み、一時1ドル=40ペソを突破し、対ドルで前日比1割以上急落。年初来の下落率は5割に達した。
引用元:日本経済新聞
内容としては、アルゼンチンから資金が流出し、IMFに追加支援を要請したとのこと。
アルゼンチンは政策金利を45%に引き上げ、ペソ買い介入を実施したにも関わらず、ペソは最安値を更新しておりました。
このアルゼンチンの下げに反応して、トルコリラ含む新興国通貨が軒並み下落しました。
この状況に対し、アルゼンチン中銀は15%緊急利上げし、金利を60%に引き上げました。
発表後、アルゼンチンペソが反転し、他の新興国通貨も続いたので短期的に効果はあったようです。あとは、この効果がどこまで持続するかというところですね。
(ちょっと、苦しいか??)
アルゼンチン中銀はトルコ中銀より機動的 な印象
ところで、一連の動きを見てアルゼンチン中銀は危機に対して機動的に行動している点が目につきます。
王道ではありますが、通貨安への対応には利上げが一番。
トルコではエルドアン大統領の顔色を窺い、利上げが出来ない状況を考えればアルゼンチン中銀は良くやっていると思います。
トルコもアルゼンチンの状況を見て、通貨安阻止のため利上げに踏み切って欲しいのですけどね。
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リラ16円台というとロスカットの時を思い出します