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けんしんの株式投資

米国株・日本株・トルコリラについて思う事をつらつらと書いています

NZドル・豪ドルが急落、通貨安競争とFX投資家へのダメージが心配

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けんしんです。

 

最近、米中対立の激化で株価が乱降下していますが、その裏で投資家にとって困ったことになっています。それは、円高の進行が止まらず、海外投資のパフォーマンス悪化や日本株が低迷している事です。

 

私は株式投資がメインですが、円高が進み円ベースの資産額は苦戦中です。

 

今回は、ニュージーランド中銀の利下げに端を発するオセアニア通貨(NZドル、豪ドル)の急落について述べていきたいと思います。

 

 

 

 

 

元々リスクオフでオセアニア通貨は下落していた

今回、ニュージーランドドルオーストラリアドルが急落しましたが、実はその前から両通貨は下落が進んでいました。

 

2018年12月末→2019年7月末で両通貨に対して円高が進んでいます。

 

オーストラリアドル:78.18円→74.59円(▲4.6%)

ニュージーランドドル:74.49円→71.84円(▲3.6%)

 

両通貨下落の主因は米中貿易戦争の激化となります。

 

オーストラリアは石炭や鉄鉱石などの一時産品を中国に多く輸出しており、対中依存度が高い国です。ニュージーランドも中国やオーストラリアへの農作物の輸出が多く、両国経済に連動する傾向があります。

 

これら中国の経済悪化に加え、円の逃避通貨としての性質も相まって2019年を通して、じわじわと円高・豪ドル安・NZドル安が進んできました。

 

急落の発端はニュージーランドの利下げ

既にニュージーランドドルは下落基調でしたが、その後急落する事になった理由はニュージーランドが大幅な利下げに踏み切った事です。

 

8/7にニュージーランド中銀は、政策金利を0.50%引下げ、1.00%としました。

加えて、更なる利下げが必要となる可能性も示しました。

 

ちなみに、市場予想は0.25%の利下げだったので、市場にとって0.50%は予想を超えた利下げ幅となります。また、政策金利1.00%は過去最低に並ぶ水準です。

 

これを受けて、ニュージーランドドルは急落。

1ドル=70円近辺で推移していたレートが一気に67円台まで下落しました。

 

この影響はニュージーランドドルのみに止まらず、関係が深いオーストラリアドルを始めに他の通貨も巻き込んで下落しました。

(何故かトルコリラは強かったですが)

 

 

 

各国が次々に利下げに打って出る、通貨安競争が懸念

最近は各国が次々に利下げを実施しています。

私が知っているだけでも、7月以降これだけの国が利下げしています。

 

アメリカ:2.25~2.50%⇒2.00~2.25%へ利下げ

韓国:1.75%⇒1.50%へ利下げ

ロシア:7.50%⇒7.25%へ利下げ

トルコ:24.00%⇒19.75%へ利下げ

ブラジル:6.50%⇒6.00%へ利下げ

南アフリカ:6.75%⇒6.50%へ利下げ

ニュージーランド:1.50%⇒1.00%へ利下げ

インド:5.75%⇒5.40%へ利下げ

タイ:1.75%⇒1.50%へ利下げ

 

米中貿易戦争の激化や世界的な景気後退に備え、各国当局が自国経済強化のために動いている形ですね。最近特に危機感が強まっているようで、市場予想を超える利下げを実施するケースも出て来ています。

 

今月はフィリピンやメキシコでも利下げが予想されており、アメリカも追加利下げの観測が消えません。中国も元安容認や利下げの噂があります(当局が否定したようですが)。

 

通貨安による景気浮揚は各国にとって魅力的な経済政策なので、世界的な通貨安競争が懸念されます。

 

 

 

緩和余地が少ない日本は苦しい

現在、世界は金融緩和の流れで、通貨安競争が危惧される状況ですが、これで困るのがわが日本です。

 

日本は金利が既にマイナスであり、これ以上の金利引き下げは難しい状況です。マイナス金利の弊害として、貸出金利で稼ぐ銀行が収益難に喘いでおり、これ以上の金利引き下げは銀行を更なる苦境に陥れかねません。

 

一方、金融緩和には金利引き下げのほか、量的緩和というものがあります。これは日銀が国債や株式などの資産を購入し、市場の資金を供給するものです。しかし、こちらも難しい状況です。

 

日銀の国債保有量は世界でも類を見ない巨額の残高になっていますし、株式についても日銀が多くの日本企業の大株主に名を連ねています。

 

国債・株式共に既に大幅に買っている状況で、これ以上大きく増額するのは難しい情勢です。

 

現状でも緩和し過ぎていて、これ以上の緩和余地が小さいというのが日本の実情です。

 

 

 

FX投資家への悪影響が大きそう

現在の状況で一番困っている投資家はFX投資家だと思っています。

 

FX投資家の多くは、円売り高金利通貨買いというポジションなので円高が進めばダメージを受けます。スワップポイントが傷を癒してはくれますが、昔から持っている人でない限りは、スワップを為替差損が上回っている状況でしょう。

 

特に今回厄介なのは、オーストラリアドルニュージーランドドルが下落している点です。

 

例えば、トルコリラ南アフリカランドは、非常に高金利なのが魅力的な反面、リスクの高い危険な通貨である事が知れ渡っています。しかし、NZドルや豪ドルはリラやランドと比べて金利は低いものの、比較的安全な通貨として人気があります。

 

保有者としても、あまり下落を覚悟しておらず、不意打ちを受けたような気分になるのではないでしょうか。人間不意を突かれるともろいものです。

 

また、その安全性のため、保有者の数も多く、資産面でも気持ちの面でもダメージを受けている日は多いと思われます。特にレバレッジを掛けていた場合、ダメージは更に大きくなります。

 

私もかつてトルコリラロスカットされたため、この辺りのしんどさは分かります。

為替レートが元に戻り、現在含み損で苦しんでいるFX投資家が旨く逃げられればと願うばかりです。

 

そして、苦しんでいるFX投資家を攻撃する株式ブロガーが出て来ませんように…

 

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