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けんしんの株式投資

米国株・日本株・トルコリラについて思う事をつらつらと書いています

米国が10年振り利下げ&対中追加関税第4弾と投資家にとって受難の一週間だった

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けんしんです。

 

今週は投資家にとって大きなイベントがありましたね。

 

FRBが10年ぶりの利下げを実施したこと

アメリカが対中制裁関税第4弾を課したこと

 

非常に大きな案件2つが同時に来ました。

他には重要な経済イベントである雇用統計の発表もあったのですが、完全に霞んでしまいました。

 

それぞれについて、ざっくりとですが見て行きたいと思います。

 

  

 

 

FRBが10年ぶりの利下げを実施

FF金利を0.25%引下げ

FRBは7/30~7/31で開かれたFOMCで、フェデラルファンド(FF)金利の誘導目標を0.25

%引下げ、2.00~2.25%にすることを決定しました。

 

FRBの利下げは2008年12月以来で、何と10年半振りとなります。

 

ちなみに、今回の利下げは事前に予想されており、①0.25%利下げ、②0.50%の利下げのどちらかだと言われていました。

 

平均を取ると、0.31%利下げだったようなので、0.25%利下げが穏当であるものの、0.50%利下げ派にとっては不満の内容となり、市場はリスクオフが進む可能性がありました。

 

追加利下げなしの見解に市場は不満

今回の利下げ発表で、NYダウは前日比で300ドルを超える大幅な下落に見舞われました。

 

ただし、この下落の理由は、利下げ幅が小さいという事より、パウエル議長の記者会見での発言にあったようです。

 

パウエル議長は記者会見で次のように発言しています。

 

1.米国経済は順調だが、世界景気減速と貿易戦争の不透明感から予防的に利下げを実施

2.今回の利下げは一時的な調整で、長期的な利下げサイクルの始まりではない

 

この「利下げサイクルの始まりではない」という点に市場は失望したようです。

市場としては、今回の利下げをきっかけに追加利下げがあることを期待していました。

 

ただし、データをしっかり点検し、長期的な利下げが必要な場合は経済が本当に弱い時と述べていることから、経済状況次第では利下げの余地はあるようです。

 

米国経済は好調であるものの、貿易戦争や世界景気の減速など見通しにくい状況にあります。過度な引き締めは経済を殺し、かと言って緩和を進めすぎれば、バブルを引き起こす可能性があります。

 

そう思えば、今回の中立に近いFRBの対応は穏当ではないかなと考えています。

 

 

 

米国が対中追加関税第4弾を発動

中国製品3000億ドル相当に関税10%を課す

米国が、中国製品3000億ドル相当に10%の追加関税を課すと発表しました。

2019年9月1日から実施するそうです。

 

これで、制裁関税の対象は5500億ドル相当になり、米国が中国から輸入するほぼ全ての製品に対象が広がったことになります。

 

トランプ大統領は中国に不満だった

今回、トランプ大統領が追加関税を課した理由は下記のようです。

 

1.中国は米国から大量の農産物を買うと約束したが買わなかった

2.貿易戦争の進展が遅すぎる

 

G20では一旦矛を収めて追加関税なしとした訳ですが、考え直した形ですかね??

7/30、31に米中両政府は閣僚級貿易協議を開いたようですが、大きな進展はなかったようです。

 

中国の報復は??

米国の追加関税に対し、早速中国が反発しました。

米国が中国と争う意思があるなら、中国も対中関税に対抗措置を取る用意があると述べたようです。

 

ただし、中国は米国に対する反撃のタマはあまり残っていません。

 

元々、中国は米国からの輸入が少なく、報復関税も概ね掛け切ってしまい、追加要因が限られています。

 

レアアースといった戦略物資が選択肢ですが、かつて日本に使った時失敗に終わりましたし、最後の手段だと思うので、軽々には取れない方法だと思います。

 

米国も徐々にタマがなくなってきている 

米国は矢継ぎ早に制裁を課していますが、少しずつタマがなくなって来ており、追加制裁が取りにくくなっていると感じます。

 

米国の次の報復関税は、今回の対象を10%→25%に引き上げることになると思いますが、これについては米国経済への影響が大きく、国内でも反対論が大きいです。

 

大統領選に向けて、ガチの景気後退を招きかねない政策は取りにくいだろうと思います。

 

そう思えば、制裁合戦は一先ず沈静化しそうにも思いますが、突発的に動くトランプ大統領の事なので、予断は許しません。

 

 

 

1週間で株価が大きく下落

上記、利下げへの失望、対中貿易関税の発動で今週の株価は大きく下落しました。

アメリカ、日本の株式市場は1週間で下記の通り下落しています。

 

日米の主な株式指標

NYダウ:27,192→26,485(▲2.60%)

S&P500:3,026→2,932(▲3.11%)

日経平均:21,658→21,087(▲2.63%)

TOPIX:1,572→1,533(▲2.48%)

 

ちなみに、日本の方が下落が少なくて済んでいますが、金曜の米国市場の下落の影響で月曜の日本が下がると思いますので、日本の方が状況がいい訳ではありません。

 

S&P500のヒートマップ

S&P500のヒートマップは下記のとおりです。

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ものの見事に赤(下落)が多いですね(;^_^A

緑(上昇)が固まっている部分は公益やヘルスケアといった所謂ディフェンシブ銘柄です。

これらが上昇して他のセクターが下落している事から、今週はリスクオフが進んだかという事が分かります。

 

ちなみに、周りが赤に囲まれながら、単発的に濃い緑があるところがあります。

これらの銘柄は好決算で、悪い市場環境を跳ねのけて株価が上昇したということでしょう。

 

 

 

実はあまり心配していない

株式市場全体が下落し、私の資産額も先週から大きく落ちましたが、実はそんなに心配していません。

 

理由は、FRBが中立な姿勢を保っているからというところになります。

個人的には、市場の期待に流されて、0.50%の利下げを実施した方がバブルの醸成を心配する所でした。

 

最近、利下げ期待で株価が上がり過ぎていると感じていました。

悪い経済指標が出ると利下げ期待から株価が上がるというのは、理屈としては理解しますが、健全なあり方ではないと思うのです。

 

これを機に市場も冷静さを取り戻して欲しいと思っています。

 

この2つのイベントで木金と株価が大きく下げましたが、金曜後半は徐々に値を戻したようです。もしかしたら、そろそろ過度な期待が剥落した均衡点に近づいているのかもしれません。

 

来週の株式市場は非常に注目です。

上がるか、下がるか、ヨコヨコか…しっかり勉強させてもらおうと思います。

 

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