こんばんは、けんしんです。
前々から噂にはなっていましたが、武田薬品が製薬大手シャイヤー社買収の暫定合意に至ったとの報道がありました。
買収額は620億ドルで、日本企業による過去最大の買収案件とのことです。
日本にメガ・ファーマが誕生
買収が上手く行けば日本に世界TOP10の製薬会社が誕生します。
日本人として是非上手く行って欲しいと思います(欧州への本社移転の布石では?という意見もありますが、一先ずそれはさておき)。
しかし、買収額が大きすぎてリスクが恐ろしいのもまた事実です。
本日の武田薬品は株価が▲341(▲7.03%)の下落となっていますが、投げ売ったホルダーの恐怖は分かります。
私も持っていたら売っていたかもしれません。
金額が巨額なだけに、将来失敗したら武田の屋台骨を揺るがす状況になるでしょう。
そのリスクを受容出来るかというところですね。
日本人、日本企業の海外買収は難しい
東芝がウェスチングハウス買収によって、倒産寸前まで追い込まれた例もある通り、日本企業の海外企業の買収はあまり上手く行っていないイメージがあります。
言語も文化も違うのでリスクが大きいというのが理由として挙げられるでしょう。
しかし、このリスクは企業だけの話ではなく、我々日本の外国株投資家も認識しなければならないと思っています。
いくら世界的大企業の株を買っているとは言え、その企業の全容を理解している訳ではありません。肌で感じられるのは日本での活動くらいのものでしょう。
情報面で現地投資家に劣後してしまう
日本企業ならば自分で決算などのIR情報を直に見られますし、その他会社の情報も早く広く察知できます。
しかし、外国株となると英語が出来る人を除いて一次ソースに当たることは難しく、専ら他の方が書いた分析に頼ることになります。
真偽を自分で判断するのは難しいものがあります。日本に伝わらない情報も多く、現地投資家と比べて情報面で劣後するのは否めません。
下手をすると、能力面で最下層に位置する投資家になる危険性もあります。
情報面で負けても米国株は魅力
シーゲル先生の著作にもある通り、米国市場は紆余曲折を経つつも長期的には一貫して上昇しており、目隠ししたような投資家でも恩恵を受けられるほどの強い市場です。
私も恩恵を受けて来ましたし、今後も受けられる可能性は高いです。
しかし、情報力がないために個別株の銘柄選定に失敗するリスクは常について回ります。
そう考えると、能力の差が現れないインデックス投資になるのかなと思います。
日本人投資家の情報力の低さをカバーしつつ、最強の株式市場の恩恵を受ける、最も合理性ある運用だと思います。
個別株投資を志向し、かつ日本人としての利点を生かすなら日本株投資ですが、市場全体のパフォーマンスが低めなのは悩ましいですね。
私自身、米国株は個別株投資を実施しており、含み益もあるため売るのは抵抗あります。
しかし、資産規模が大きくなるほど、安全面を重視した運用に切り替えて行くのは大事な視点だと思います。
今すぐどうこうという話ではないですが、ステージに応じた適切な運用方式を心掛けて行きたいですね。
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