けんしんです。
政治リスクが目立つ医療保険会社ですが、良いニュースが出ましたね。
トランプ大統領が、医薬品リベート廃止計画を撤回したとの事です。
トランプ政権が、医薬品リベート廃止計画を撤回
トランプ米政権は、医療保険会社の代わりに医薬品価格の値引き交渉に当たる仲介業者にリベート(割戻金)が支払われる仕組みを終わらせる取り組みを断念した。
トランプ大統領は処方薬価格の引き下げを優先課題の一つとして掲げており、リベートの廃止はそうした取り組みの重要な部分と見られていた。今回の方針転換を受け、投資家も見通しの修正を迫られた。11日の米株式市場では、医薬品の価格交渉を手掛ける薬剤給付管理(PBM)会社の株価が上昇。引用元:Bloomberg
医療保険会社のリスクの一つが取り除かれる
医療保険業界は選挙などと連動して、政治の矛先になります。
最近では、サンダース議員が民主党の予備選に連動して、国民皆保険(メディケア・フォー・オール)を主張し、ユナイテッドヘルスを代表とする医療保険会社の株価が低迷しています。
トランプ大統領が攻撃していたのは、薬剤給付管理(PBM)というもので、PBM各社は医薬品を安く仕入れ病院などに売却する中間業者のようなものです。PBM各社は処方箋を管理し、製薬会社の値引き交渉も行います。
PBM各社は、製薬会社に任せると価格が吊り上がり、医薬品の値下げに貢献していると主張しています。
しかし、一方で、製薬会社がPBMに支払っているリベートが医薬品高騰の要因とも言われ、トランプ大統領はこのリベートを禁止する方向で動いていたようです。
今回、トランプ大統領が目指すリベート廃止が撤回された事で、ユナイテッド・ヘルス、CVS、シグナといったPBMを担う企業の株価が急騰しました。
一方で製薬会社は下落
PBM企業の株価が急騰する一方、製薬会社の株価が急落しました。
製薬会社にとって、PBMはリベート支払い・医薬品価格を引き下げを強いられることから厄介な存在であることは想像に難くありません。
今回の撤回は、製薬会社にとって失望する内容であったと思います。
救いは、製薬会社にとってはあくまで現状維持に過ぎないという事です。
投資家の期待は下がるでしょうが、業績に悪影響が出るわけではない点は救いです。
医療保険株への熱が復活
以前、買いたいと思って買わなかったユナイテッド・ヘルスですが、PBMのリスク後退は間違いなく好材料です。また欲しくなって来ました(笑)
しかし、当時から見ればだいぶ株価も上がってしまいましたね。
また、メディケア・フォー・オールを主張するサンダース議員はいまだ健在です。
サンダース議員が大統領になる可能性は低いと思っていますが、大統領選挙中は株価が揺さぶられると思われ、今買うのは躊躇してしまいます。
ところで、医療保険株を見ていると、ユナイテッド・ヘルスよりシグナの方が指標面で遙かに割安です。
割安なのは相応のマイナス面があるからだと思いますが、買うとすればシグナの方が良い気もします。
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