けんしんです。
トルコは現在アメリカからの制裁が懸念ですが、先週注目のイベントがありました。
それは、政策金利の発表です。
3週間前に利下げを行わないチェティンカヤ中銀総裁が更迭され、利下げを行われるかが注目されていました。
それでは、今回のトルコリラまとめです。
トルコリラの1か月チャート
週後半に大きく上昇し、直近の高値圏にあります。
この流れが継続するか気になるところ。
トルコリラの1週間レート推移
7/24まで下落が続き、7/25から一気に浮上しました。
7/25に中銀の利下げがあったので、上昇の原因はこれだと思います。
今週のトルコ経済指標
最近は良い経済指標が続いていましたが、今回は良くなかったです。消費者信頼感は前回より減少しました。
そして、何より政策金利… 利下げがあるだろうとは言われていましたが、想像を超える下げ幅となりました。
トルコ中銀、4.25%もの大幅な利下げ
トルコ中央銀行は25日、政策金利の大幅引き下げを発表した。エルドアン大統領に指名されたウイサル新総裁は、2002年のインフレ目標導入以降で最大の利下げに踏み切った。金利引き下げを望む大統領の意向に沿った形で、中銀総裁としての信頼性を損なう恐れがある。
同中銀の金融政策委員会は25日、政策金利の1週間物レポ金利を4.25ポイント引き下げ19.75%とした。利下げは2016年以来初めて。エコノミスト34人の予想中央値は21.5%への引き下げだった。1人は3.5ポイントを超える利下げを見込んでいた。引用元:Bloomberg
トルコ中銀は、市場予想を大きく上回る4.25%もの利下げを行いました。
更迭されたチェティンカヤ前総裁が利下げを巡ってエルドアン大統領の不興を買っていたことを思えば、利下げせざるを得なかったのかも知れませんが、幅の大きさに驚きました。
これは、中銀の独立性がないという事を示したことになり、良くない兆候です。
しかも、過去の言動からエルドアン大統領は経済音痴です。
同氏の影響力が強まるのは歓迎すべき状況ではありません。
大幅利下げにも関わらずリラは上昇
非常に驚いたのですが、市場予想を上回る利下げにも関わらずリラは上昇しました。
こういう場合はリラは急落するのがセオリーです。
上昇した理由として思いつくのは下記のとおりです。
①利下げを巡る不透明感が消え、悪材料出尽くしとなった
②インフレ率が低下している状況で、19.75%でも十分な水準と判断された
③トルコ当局の為替介入
④アメリカからの制裁が来るようで来ない
今週で利下げを巡る不透明感が一旦後退し、アメリカからの制裁も動きはありません。
油断は出来ない状況ですが、少しずつながらもトルコの不透明感はなくなって来ているようにも思います。
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