おはようございます、けんしんです。
昨晩のNYダウはイタリアの政局不安で大幅続落しました。本件には少し前に触れましたが、最近更に悪化しているみたいですね。
まず、イタリアの長期金利が1か月で1.4%(140bp)も上がっています。政局不安(&ユーロ離脱懸念)を急速に織り込みに行っている様子が伺えます。
一方、ユーロを見ても急速にユーロ安が進んでいます。この点からイタリア1国の問題からユーロ全体の問題へ徐々にシフトしております。
イタリアの現問題を簡単に纏めると
1.政権発足が上手く行かず、再選挙の可能性が高まっている
2.再選挙では、親ユーロ派と反ユーロ派の決戦選挙となる
3.現状では、反ユーロ派が勝つ可能性が高い
4.反ユーロ派が勝てば、イタリアがユーロ離脱に舵を切る可能性がある
といったところでしょうか?
現状はまだ1の段階ですが、市場は先を読んで動きますので、可能性が高るにつれて市場が徐々にユーロ離脱を織り込みにかかっています。
過去にユーロ離脱問題が起こったのは、ギリシャとイギリスであり、ギリシャは反ユーロ派が選挙で勝ったものの交渉の末に残留、イギリスはユーロ残留か離脱かを決める決選投票だったため結果に従いユーロ離脱となりました。
今回のイタリアは政権選挙なので、状況としてはギリシャに近いものと思います。ただ、ギリシャより経済規模・負債の額が大きいため、ユーロに与える影響も大きいというところですね。また、イギリスに続いて離脱となれば、離脱ドミノ懸念が再燃する可能性があります。
まずは、これらが本当に実現するかどうかが肝ですが、世界全体にどう影響を与えるかというところです。
ユーロ内で止まってくれれば大きな影響はありませんが、現在はグローバル化が進んでいるため、一国の問題が容易に世界に波及します。それがイタリアのような大国なら猶更です。
他の米国株ブロガーの皆さんと同じくアメリカ株投資メインなら現時点で恐れる段階ではありませんが、私の場合、トルコリラという地雷を抱えているので、この手のリスクには敏感になってしまいます。こういう問題はまず経済基盤の弱い新興国に波及しますし(特に欧州とトルコは近い…)
ついにNY市場に影響を与えるほどになってしまいましたが、杞憂で終わる事を心から願います。