おはようございます、けんしんです。
昨日の一週間のトルコリラまとめで軽く触れた「シリア政府軍の反体制派への総攻撃観測」ですが、実際に起こったらトルコだけでなく、グローバルに波及するリスクもあるため、少し深堀したいと思います。
再掲ですが、昨日の記事に使ったのはロイターの下記のニュースです。
軽くまとめると、シリア政府軍は反体制派をあと一歩まで追い詰めており、最後の拠点であるイドリブ県への総攻撃を計画している。イドリブ県はトルコとの国境付近にあるため、総攻撃が実施されれば、250万人もの難民がトルコに押し寄せる可能性があるとのこと。
この状況に対し、トルコ、イラン、ロシアの3か国首脳会議が開かれ、エルドアン大統領はシリア即時停戦を呼び掛けたものの、イランとロシアは応じなかったようです。
かなり緊迫しているようですので、来週辺りに攻撃があってもおかしくありませんね。
ざっくりではありますが、実際に総攻撃となった場合の影響を考えてみたいと思います。
1.シリア
アサド政権による統一が進むかもしれませんが、従来の独裁政治下での弾圧を考えれば喜ばしい状況とは言えません。攻撃に際しての化学兵器の使用なども懸念されます。
可能性は小さいですが、米国の直接介入などがあれば、混乱に拍車が掛かる可能性もあります。
2.ロシア
後見しているアサド政権への対応を巡り、米国との対立が深まる可能性があります。
ただし、米国との対立激化はロシアを苦境に陥れるので、対立は深まるものの、全面対決には至らないと予想。
3.欧州
地理的に近い事もあり、影響大と思っています。
今まではトルコがシリア難民を押しとどめていた面がありますが、トルコ経済が混乱している中での難民増に対し、トルコが従来通り対応出来る保証はありません。
場合によっては、欧州に難民が雪崩れ込んでくる可能性があります。
地政学リスク・難民リスクの高まりで、ユーロ安・株安になるのではないかと思います。
私の場合、英国株が影響受けそうな気がします(´・ω・`)
4.米国
直接的な影響は小さいと思いますが、多少の株価押し下げがあると思います。
かつてトマホークを打ち込んだ時のような直接介入やロシアとの全面対決があるかないかがポイントですね。深刻な状況には至らず、一過性で終わるとは思いますが…
5.日本
直接的な影響は小さいと思いますが、リスクオフの円高・株安が起きると思われます。
直接日本影響がない問題でも日本市場は大きく反応するのが厄介なところです。
6.新興国
直接的な影響はないですが、昨今の状況を考えれば不安が伝播してもおかしくないですね。
ただし、経済的な混乱ではないので、さほど影響がない可能性もあります。
7.原油
中東の混乱で間違いなく原油高でしょうね。
一過性ならいいですが、長引くようなら日本経済にも悪影響が及びます。
こういう時は石油株を持っていたら良いのですが、今年に入ってエクソンモービルもシェブロンも売ってしまっておりました( ̄▽ ̄;)
簡単に纏めるとこんな感じでしょうか。
難民発生の度合い、戦闘がどこまで続くか、米露の対決など他への波及がポイントでしょうか??
もちろん、混乱が思ったより大きくならないor本件が既に織り込み済という可能性もあります。
他国への影響を見ても、人道的な見地から見ても、エルドアン大統領が提案した通り、即時停戦して欲しいのですけどね。
(あるいは、反体制派が降伏し、それに対し、政府側が寛大な処置を取る)
経済のスタンスには問題ありますが、この点については、エルドアン大統領は良くやっているように思います。
私が出来るのは、起こらないでくれとただただ祈ることばかり。